ブラウザ操作をAIに任せる「Claude in Chrome」。ChatGPTのAgent機能などと並んで注目される、Anthropic製のブラウザ拡張機能です。有料プラン(Pro・Max・Team・Enterprise)であれば誰でも使え、Chromeブラウザでの提供は現在ベータ版という位置づけです。この記事では、実際に何ができるのかを機能別に整理します。
そもそも何をする拡張機能なのか
Claude in Chromeは、ページを読む・クリックする・タイプする・タブを移動する、といった「人がブラウザでやること」を代行させられる拡張機能です。Chromeのツールバーからサイドパネルを開けば、今見ているページの隣でClaudeとチャットしながら、画面の内容を読み取らせたり、実際にボタンを押させたりできます。Claude DesktopのチャットやClaude Cowork、Claude Codeのセッションからブラウザ操作を呼び出すことも可能です。
主な機能
ページの読み取りと操作 テキストやDOM構造、画面のスクリーンショットからページの内容を理解し、クリック・入力・フォーム入力・ページ遷移をこなします。複数ページにまたがる作業も、人がやるのと同じ手順で進められます。
ワークフローの記録 自分で一度手順を実行して見せると、Claudeがその流れを学習し、次回から再現できます。毎回同じパターンを繰り返す作業に向いています。
コンソールログの読み取り ブラウザのコンソール出力(エラー、ネットワークリクエスト、DOM状態)を読めるため、開発者はブラウザを離れずに不具合の原因を調べられます。
スケジュール実行 決まった時間に繰り返しタスクを実行させられます。毎日・毎週・毎月・毎年といった頻度で設定でき、拡張機能パネル右上の時計アイコンから設定します。
複数タブの同時操作 Claude専用のタブグループにタブをドラッグすると、複数タブをまとめて見て操作させられます。情報を集めるためにタブを手動で切り替える必要がなくなります。
主要サイトの操作に対応 Slack、Googleカレンダー、Gmail、Googleドキュメント、GitHubなどの操作方法をあらかじめ理解しているため、「会議を予定に入れて」「ドキュメントを更新して」といった簡単な指示だけで動きます。対応サイトは順次拡大中です。
1Passwordでのサインイン ログインが必要な場面では、1Password経由で認証情報をリクエストできます(macOSでベータ提供)。生体認証で承認するだけで、パスワードやワンタイムコードをClaude自身が見ることはありません。
バックグラウンドでの実行 Chromeさえ開いていれば、別のタブに切り替えても複数ステップの作業を続けさせられます。通知をオンにしておけば、許可が必要なときや完了時にアラートが届きます。
画像・スクリーンショットの共有 画面の一部を切り取って共有したり、画像をアップロードしてどこに使うか指示したりできます。複雑なレイアウトを言葉で説明するより早く伝えられます。
ショートカット うまくいったプロンプトを保存しておき、「/」でいつでも呼び出せます。スケジュール実行と組み合わせれば、定型作業を自動化できます。
Claude Codeとの連携
Claude Codeでコードを書き、デプロイしたURLをClaude in Chromeでテスト・検証する、という一連の流れに対応しています。コンソールログやネットワークリクエスト、DOM状態を直接読めるため、デザインの見た目チェックやライブデバッグ、自動テストに役立ちます。
安全性について
ブラウザを操作できるAIには、悪意あるページやメールに仕込まれた指示に従ってしまう「プロンプトインジェクション」というリスクがあります。Anthropicは123件・29種類の攻撃シナリオでレッドチーム検証を実施し、対策なしの状態では攻撃成功率23.6%という結果が出ていました。安全対策を加えたことでこれは11.2%まで低下し、ブラウザ特有の攻撃(隠しフォーム欄など)に限れば35.7%から0%まで下げられたと報告されています。
とはいえリスクはゼロではありません。利用者側でできる対策としては、サイトごとのアクセス許可を必要な範囲に絞ること、金融・購入・個人情報の共有など重要な操作の前には確認を求める設定にしておくこと、金融・医療・法律など機密性の高いサイトでの利用は避けることが挙げられます。
まとめ
Claude in Chromeは、単に質問に答えるだけでなく、実際にブラウザの中で手を動かして作業を代行してくれる点が最大の特徴です。定型的なブラウザ作業が多い人ほど恩恵は大きい一方、権限管理や利用サイトの選び方には注意が必要です。